デイサービスとデイケアの違い|決め手は医師がいるかどうか

この記事の要点

  • 決定的な違いは医師がいるかどうか。デイケアのリハビリは医師の指示に基づきます
  • デイサービスにも機能訓練はあります。ないのは医師の診察です
  • 要支援の場合、デイサービスは市町村ごとの事業、デイケアは全国一律の介護保険に分かれます
  • 事業所数が違います。デイサービス系は43,506、デイケアの中心である老健は4,214
  • デイケアには「卒業」があります。目標を達成すると終了になることがあります

ケアプランの話になると、この2つが出てきます。デイサービスとデイケア。どちらも日帰りで通う、送迎がある、入浴もある。説明を聞いても、何が違うのかつかみにくい。

調べてみると、名前が似ているだけで、法律上は別のサービスでした。 そして、選ぶときに効いてくる違いが、いくつかあります。

よくある疑問の形で書いていきます。

目次

決定的な違いは医師がいるかどうか

正式名称を並べると、性格が見えてきます。

デイサービスデイケア
正式名称通所介護通所リハビリテーション
目的日常生活の支援と、家族の負担軽減リハビリによる機能の維持・回復
医師いない配置が必要
実施場所デイサービスセンターなど老健、介護医療院、病院、診療所
訓練を行う人機能訓練指導員理学療法士・作業療法士・言語聴覚士

いちばん大きいのは、医師の有無です。

デイケアで行われるのは「リハビリテーション」で、医師の診察結果に基づき、医師の指示のもとで実施されます。 だから、医師のいる施設でしか提供できません。

実施場所が老健や病院に限られているのは、そのためです。

デイサービスにも機能訓練はある

「デイケアでないとリハビリを受けられない」と思われがちですが、そうではありません。

違うのは、その前段です。

機能訓練(デイサービス)リハビリテーション(デイケア)
医師の診察なしあり
実施する人機能訓練指導員(看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、PT・OT・ST等)理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
計画個別機能訓練計画リハビリテーション計画(医師が関与)

「リハビリがあるかないか」ではなく、「医師が関わるかどうか」です。

デイサービスにも理学療法士がいることはあります。ただ、その場合でも医師の診察は入りません。

要支援だと制度そのものが変わる

ここが、この記事でいちばん見落とされやすい部分です。

要支援1・2の方の場合、2つのサービスは別々の制度に分かれています。

要支援1・2の場合
デイサービス総合事業の通所型サービス(市区町村ごとに内容と料金が異なる)
デイケア介護予防通所リハビリテーション(介護保険サービス。全国一律)

2015年から順次、要支援の方の通所介護は介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)に移りました。実施主体が国から市区町村に変わっています。

一方、通所リハビリは介護予防給付として残っているため、全国どこでも同じ内容です。

総合事業では「家族の負担軽減」が目的に入っていません

総合事業の通所型サービスは介護予防を目的としたもので、家族の負担を軽減するレスパイトケアは想定されていないと説明されています。

実際には従来と同じ内容で提供している自治体も多いのですが、「介護者が休むため」という理由が通りにくい場合があります。 内容も料金も市区町村ごとに違うので、必ずお住まいの自治体で確認してください。

要介護度と使えるサービスの関係は、こちらの記事で7段階すべて整理しています。

選べる事業所の数が桁違い

実務上、これがかなり効きます。

サービス事業所数(2024年10月時点)
通所介護24,585
地域密着型通所介護18,921
デイサービス系 合計43,506
介護老人保健施設(デイケアの中心)4,214

デイケアは老健のほか病院・診療所でも行われるため、老健の数がそのままデイケアの数ではありません。それでも、デイサービスとは桁が違います。

結果として、こうなります。

  • デイサービスは近所に複数あり、選べることが多い
  • デイケアは数が限られ、定員が埋まっていて待つことがある

「デイケアがいい」と決めても、通える範囲にないことがあります。 ケアマネジャーに、地域の状況を先に聞いてください。

費用はデイケアのほうが高い

医師や専門職の配置が手厚いぶん、介護報酬が高く設定されているためです。

ただし、実際の金額は次で大きく変わります。

  • 利用時間(3時間、5時間、7時間など)
  • 事業所の規模(大規模ほど単価が下がる)
  • 各種の加算(入浴介助、個別機能訓練、送迎など)
  • 負担割合(1割・2割・3割)

参考までに、地域密着型通所介護(定員18人以下)で8時間以上9時間未満を利用した場合、要介護1で783単位です。1単位10円・1割負担なら約783円。これに食費(介護保険の対象外)が加わります。

見落としやすいのは、限度額への影響です

どちらも区分支給限度基準額の枠を使います。単価の高いデイケアを週3回入れると、その分だけ訪問介護や福祉用具に回せる枠が減ります。

ケアマネジャーに「この組み合わせだと、限度額のどれくらいを使いますか」と聞いてください。超えた分は全額自己負担になります。

デイケアには「卒業」がある

あまり知られていない点です。

デイケアでは、利用開始時にリハビリテーション計画を作り、そこに目標を書きます。その目標が達成されると、サービスが終了することがあります。

「卒業」と呼ばれます。その後は、身体機能の維持のためにデイサービスへ移る、訪問リハビリに切り替える、といった選択になります。

ずっと同じ場所に通い続ける前提ではありません。 ここはデイサービスと性格が違います。

逆に言えば、医師がリハビリの必要性を認める間は継続できます。

入浴と食事は利用時間で決まる

両方で受けられます。デイケア=リハビリだけ、ではありません。

利用時間によりますが、6〜8時間の一日型なら、食事・入浴・レクリエーションが含まれることが一般的です。

ただし、デイケアには1〜2時間程度の短時間型もあります。この形だと、リハビリのみで食事も入浴もありません。 「デイケアにしたら入浴がなくなった」ということが起こりえます。

「そこは何時間の利用になりますか。入浴と食事は付きますか」

見学や相談のときに、この確認をしてください。

選ぶときの4つの軸

ここまでを踏まえて、判断の軸を整理します。

  1. 退院直後なら、まずデイケア

    骨折や脳卒中のあとで、機能の回復を目指す段階。医師の管理下でリハビリを受ける意味が大きい時期です。 医療的な経過観察が必要な場合も含みます。

  2. 家族が休む時間が必要なら、デイサービス

    デイサービスの目的には、家族の負担軽減が明記されています。 週の回数を増やしやすく、事業所も選べます。

    介護者が限界に近いと感じているなら、在宅の限界を感じたときの選択肢もあわせてご覧ください。

  3. 本人が楽しめるかで選ぶ

    続かなければ意味がありません。他の利用者との相性、雰囲気、送迎の時間帯。 見学して本人に決めてもらうほうが、結果的に長続きします。

    デイサービスは事業所ごとの特色が大きく、機能訓練に特化した半日型、入浴設備が充実した施設など幅があります。

  4. 両方を組み合わせる

    併用できます。週2回デイケア、週2回デイサービスという形も可能です。 限度額の範囲内であれば問題ありません。

まとめ|ケアマネジャーに聞く3つの質問

整理します。

  • 決定的な違いは医師の有無
  • デイサービスにも機能訓練はある。ないのは医師の診察
  • 要支援だとデイサービスは市町村ごと、デイケアは全国一律
  • 事業所数はデイサービスが圧倒的に多い
  • デイケアには「卒業」がある

ただ、この違いを完璧に理解する必要はありません。ケアマネジャーに聞くべきことは、この3つです。

「うちの地域で、通える範囲にデイケアはありますか」
「その事業所は、何時間の利用で、入浴と食事は付きますか」
「この組み合わせで、限度額のどれくらいを使いますか」

制度の名前より、実際に通える場所があるか、本人が続けられるか。 そこで決まります。

担当のケアマネジャーが合わないと感じる場合は、変更もできます。

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出典・参考

  • 厚生労働省「令和6(2024)年 介護サービス施設・事業所調査」(通所介護24,585事業所、地域密着型通所介護18,921事業所、介護老人保健施設4,214施設。2024年10月1日現在)
  • 介護保険法(通所介護/通所リハビリテーションの定義、指定基準)
  • 厚生労働省「介護給付費単位数等サービスコード表」(地域密着型通所介護費 8時間以上9時間未満 要介護1=783単位)
  • 厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方」(訪問介護・通所介護以外は介護予防給付を継続)
  • 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「介護予防・日常生活支援総合事業の通所型サービス」(レスパイトケアは想定されていない旨)

この記事の情報は2026年8月時点のものです。1単位あたりの単価は地域とサービスの種類によって10円〜11.40円の幅があります。総合事業の内容・料金は市区町村ごとに異なります。実際の利用料や事業所の状況は、担当のケアマネジャーまたは市区町村の介護保険担当課にご確認ください。

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