この記事の要点
- 65歳以上の方が対象となる主な定期接種は、インフルエンザ・新型コロナ・帯状疱疹・肺炎球菌の4つです
- インフルエンザと新型コロナは毎年、決められた期間内。期間を過ぎると公費助成の対象外となる場合があります
- 帯状疱疹の定期接種の対象になるのは、原則としてその年度の1年間。2026年度は65・70・75・80・85・90・95・100歳になる方です
- 肺炎球菌は原則65歳が対象。2026年4月から、使うワクチンがPCV20に変わりました
- 自己負担額と接種期間は、市区町村によって違います
親の住む市区町村から、予防接種の案内が届いた。でも、どれを受ければいいのか、いつまでなのか、よく分からない。
65歳を過ぎると、予防接種法にもとづく「定期接種」の対象になる予防接種があります。定期接種では、自治体が定めた自己負担額で受けられる場合があります。 一方で、年齢や期間を逃すと、公費助成を受けられなくなる場合があります。
よくある疑問に答える形で、2026年度(令和8年度)の内容を整理します。
この記事は、予防接種を受けるかどうかを勧めるものではありません。受けるかどうかは本人の希望にもとづいて決めるもので、迷う場合はかかりつけ医に相談してください。
65歳以上が対象の主な定期接種は4つ
| 予防接種 | 対象(2026年度) | 受けられる時期 |
|---|---|---|
| インフルエンザ | 65歳以上など | 毎年、秋から冬の決められた期間 |
| 新型コロナ | 65歳以上など | 毎年、秋から春の決められた期間 |
| 帯状疱疹 | 年度内に65・70・75・80・85・90・95・100歳になる方など | 原則としてその年度の1年間 |
| 肺炎球菌 | 原則65歳の方(接種歴によって扱いが異なる) | 65歳の1年間 |
60〜64歳でも、一定の条件を満たす場合は対象になることがあります。 対象となる条件はワクチンによって異なるため、市区町村や医療機関に確認してください。
受ける義務はありません
これらは予防接種法でB類に位置づけられ、個人の発病や重症化の予防が主な目的です。接種を受ける法律上の義務はなく、本人の希望により受けるものとされています。
インフルエンザの期間と費用
インフルエンザは毎年度1回、市区町村が決めた期間に受けられます。
| 市区町村の例 | 期間(2026年度) | 自己負担 |
|---|---|---|
| 千葉市 | 2026年10月1日〜2027年1月31日 | 市の案内を確認 |
| 品川区 | 2026年9月24日〜2027年1月31日 | 無料 |
| 八王子市・世田谷区 | 2026年10月1日〜2027年1月31日 | 2,500円 |
始まる日も、自己負担額も、市区町村によって違います。 品川区のように開始を前倒ししたところもあります。
期間を過ぎると、公費助成の対象外となる場合があります
定期接種として設定された期間を過ぎると、定期接種の対象外となり、公費助成を受けられない場合があります。 任意接種として受けられるか、費用はいくらかは、医療機関に確認してください。
「年明けに行けばいい」と思っているうちに期間が終わることがあります。親の住む市区町村の期間を、カレンダーに入れておいてください。
新型コロナの期間と費用
新型コロナの定期接種は、市区町村が実施する定期接種です。2026年度の実施期間は10月1日から翌年3月31日とする方針が国の審議会で示されています。対象は65歳以上と、一定の条件を満たす60〜64歳の方です。
実際の期間と自己負担は、市区町村が決めます。費用は原則有料です。
| 市区町村の例 | 自己負担(2026年度) |
|---|---|
| 一宮市 | 5,000円 |
| 多摩市 | 7,500円 |
自己負担額は市区町村によって異なるため、事前に確認してください。
帯状疱疹は対象年度の1年間
この記事でいちばん伝えたい部分です。
帯状疱疹ワクチンは、2025年度(令和7年度)から定期接種になりました。 対象は、その年度に65歳になる方が基本です。
ただ、2025年度から2029年度までの5年間は経過措置として、70・75・80・85・90・95・100歳になる方も対象になっています。
2026年度の対象者
| 2026年度中に迎える年齢 | 生年月日 |
|---|---|
| 65歳 | 昭和36年4月2日〜昭和37年4月1日 |
| 70歳 | 昭和31年4月2日〜昭和32年4月1日 |
| 75歳 | 昭和26年4月2日〜昭和27年4月1日 |
| 80歳 | 昭和21年4月2日〜昭和22年4月1日 |
| 85歳 | 昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日 |
| 90歳 | 昭和11年4月2日〜昭和12年4月1日 |
| 95歳 | 昭和6年4月2日〜昭和7年4月1日 |
| 100歳 | 大正15年4月2日〜昭和2年4月1日 |
対象年度を過ぎると、その年度の定期接種の機会を逃すことになります
定期接種として対象になる年度は、原則としてその年度の1年間です。2026年度の対象なら、2027年3月31日までが期限です。
経過措置は2029年度までの予定です。
過去に帯状疱疹ワクチンを受けたことがある場合は、接種記録を確認したうえで市区町村に問い合わせてください。
ワクチンは2種類
| 生ワクチン | 組換え(不活化)ワクチン | |
|---|---|---|
| 接種回数 | 1回 | 2回 |
| 接種方法 | 皮下注射 | 筋肉内注射 |
予防効果や持続期間、副反応の出方は種類によって違います。任意接種の場合の費用は医療機関によって異なります。
持病や服用中の薬などによって、接種できるワクチンや注意点が異なる場合があります。 かかりつけ医に相談してください。
肺炎球菌は2026年度からワクチンが変わった
高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種は、原則として65歳の方が対象です(60〜64歳で一定の条件を満たす方も対象になる場合があります)。
2026年4月から、使うワクチンが変わりました
2026年度から、定期接種で用いるワクチンが23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)から沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)に変わりました。1回、筋肉内に接種します。
厚生労働省は、ワクチンが変わっても、定期接種の対象者に変更はないとしています。
接種歴を確認する
多くの市区町村は、過去に肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方は定期接種の対象外としています。公費か自費かを問わない市区町村もあります。
過去の肺炎球菌ワクチンの接種歴によって扱いが異なる場合があるため、接種記録を確認し、市区町村に確認してください。 定期接種の対象外でも、任意接種として受けられる場合があります。
親が65歳になる年は、帯状疱疹と肺炎球菌の両方が対象になる年でもあります。見落とさないようにしてください。
施設や遠方にいる親の場合
住民票のある市区町村の外で受けるときは、手続きが必要になることがあります。
たとえば品川区は、施設に入所しているなどの理由で区外の医療機関で受ける場合、事前に「予防接種依頼書」の交付を申請する必要があるとしています。
- 住民票のある市区町村の案内を確認する
- 区域外で受ける場合の手続き(依頼書など)を確認する
- 手続きなしで受けると、助成を受けられない場合がある
施設に入っている場合は、施設で接種を手配してくれることもあります。 施設に確認してください。
呼び寄せや施設入所で住所が変わる場合の手続きは、親を呼び寄せるときの手続きにまとめています。
家族が確認しておきたいこと
- 親が今年度に何歳になるか(帯状疱疹・肺炎球菌の対象か)
- 市区町村からの案内や予診票などを確認する
- インフルエンザ・新型コロナの受けられる期間
- 自己負担額(自治体によっては、一定の要件を満たす方の自己負担が免除される場合があります)
- 過去に受けたワクチン(お薬手帳や接種記録で確認。とくに肺炎球菌と帯状疱疹)
- 通院の付き添いが必要か
自治体によって、個別通知や接種券などの案内方法が異なります。 個別に通知を送らない市区町村もあるので、届いていなくても対象の場合があります。市区町村のホームページか窓口で確認してください。
「母が今年度75歳になるのですが、帯状疱疹の定期接種の対象になりますか?」
通院の付き添いが難しいとき
接種のための通院も、付き添いの負担になります。かかりつけ医に、定期受診と同じ日に接種できるか確認してみてください。 予約やワクチンの在庫、接種の体制によって対応は異なります。
付き添いの分担については、親の通院に付き添えないときにまとめました。
本人の意思確認が難しいとき
予防接種は本人の希望にもとづいて受けるものです。本人の意思や意向をできる限り確認し、意思確認が難しい場合は、かかりつけ医などに相談してください。 家族や医療・介護の関係者で話し合うことも大切です。
まとめ|年齢と期限を先に確認する
- 65歳以上が対象の主な定期接種はインフルエンザ・新型コロナ・帯状疱疹・肺炎球菌
- インフルエンザと新型コロナは期間を過ぎると公費助成の対象外となる場合がある
- 帯状疱疹は原則として対象年度の1年間。2026年度は65・70・75・80・85・90・95・100歳になる方
- 肺炎球菌は原則65歳。2026年4月からPCV20に変更。接種歴を確認
- 期間・自己負担・手続きは市区町村によって違う
- 受けるかどうかは本人の希望で、迷えばかかりつけ医に相談
予防接種は、年齢と期限さえ押さえておけば、慌てずに済みます。
まず、親が今年度に何歳になるかを確認してください。帯状疱疹の対象かどうかが、それだけで分かります。
関連記事
出典・参考
- 千葉市「高齢者インフルエンザ予防接種のご案内」(2026年10月1日〜2027年1月31日、期間外は任意接種で全額自己負担)
- 品川区「令和8年度 高齢者インフルエンザ定期予防接種」(2026年9月24日〜2027年1月31日、無料、区外で受ける場合の予防接種依頼書)
- みんなのミカタナビ「インフルエンザ予防接種の費用と助成【2026年版】」(八王子市・世田谷区の自己負担2,500円)
- 共同通信(2026年9月)「コロナワクチン接種、10月開始 高齢者対象の定期」(2026年度は10月1日〜翌年3月31日に実施する方針、対象は65歳以上と基礎疾患のある60〜64歳)
- 一宮市「高齢者インフルエンザ・新型コロナ予防接種」/多摩市「令和8年度インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の定期予防接種について」
- 仙台市・八尾市・市川市・三鷹市「令和8年度 帯状疱疹予防接種(定期接種)」(令和7年度から定期接種、経過措置の対象年齢、ワクチンの種類、B類で接種義務はないこと)
- 厚生労働省「高齢者の肺炎球菌ワクチン」(令和8年度から定期接種で用いるワクチンをPPSV23からPCV20に変更、1回筋肉内接種、定期接種の対象者に変更なし)
- 江東区「令和8年度 高齢者用肺炎球菌予防接種(定期接種)」(原則65歳、公費・自費にかかわらず肺炎球菌ワクチンを接種したことのない方が対象)
この記事の情報は2026年10月時点のものです。当サイトは医療機関ではなく、予防接種を受けるかどうかの判断を目的としたものではありません。接種期間、自己負担額、対象者の条件、手続きは市区町村によって異なり、年度ごとに変わります。持病や服用中の薬がある方は、接種についてかかりつけ医にご相談ください。最新の情報は、お住まいの市区町村の案内をご確認ください。

