この記事の要点
- 65歳以上の全国平均は月6,225円(2024〜2026年度)
- ただし住む場所で2.74倍の差があります。最高9,249円、最低3,374円
- 40〜64歳は給与の1.62%を労使折半。月給30万円なら本人負担は月約2,430円
- 制度が始まった2000年度は2,911円。26年で2.14倍になりました
- 2027年度に改定されます。いまの金額は2026年度までのものです
給与明細を見て、40歳から天引きが増えたことに気づく。あるいは、親の年金から引かれている金額を見て驚く。
介護保険料は、40歳から生涯払い続けます。 ただ、その仕組みは年齢で大きく変わります。
そして調べてみると、住んでいる場所によって2.74倍もの差がありました。よくある疑問の形で書いていきます。
支払い始めは40歳から
介護保険料は、40歳の誕生日の前日が属する月から徴収が始まります。
「誕生日の前日」という表現が独特ですが、法律上、年齢は誕生日の前日に加算されるためです。1日生まれの方は、前月から徴収が始まります。
そして、年齢によって2つに分かれます。
| 第2号被保険者 | 第1号被保険者 | |
|---|---|---|
| 年齢 | 40〜64歳 | 65歳以上 |
| 金額の決まり方 | 加入している医療保険の料率 | 市区町村ごとの基準額 |
| 払い方 | 健康保険料と一緒に天引き | 年金から天引き |
| サービスを使えるか | 特定疾病のみ | 要介護認定があれば使える |
40〜64歳の方は、原則として介護サービスを使えません。 加齢に伴う16の特定疾病(末期がん、若年性認知症、脳血管疾患など)に該当する場合だけです。
40〜64歳は給与の1.62%を労使折半
会社員の場合、健康保険料に上乗せされる形です。
協会けんぽの2026年度(令和8年度)の介護保険料率は1.62%。 全国一律です。これを会社と折半するので、本人負担は0.81%になります。
| 標準報酬月額 | 本人負担(月額) |
|---|---|
| 20万円 | 約1,620円 |
| 30万円 | 約2,430円 |
| 40万円 | 約3,240円 |
| 50万円 | 約4,050円 |
※協会けんぽの料率で計算した概算です。健康保険組合に加入している場合、料率は組合ごとに異なります。
「40歳になって手取りが減った」と感じるのは、これが理由です。
国民健康保険に加入している場合は、所得割・均等割などを組み合わせた計算になり、市区町村ごとに異なります。
65歳以上の全国平均は月6,225円
65歳になると、仕組みが変わります。市区町村が保険者となり、その市区町村が決めた基準額をもとに計算されます。
厚生労働省が発表した第9期(2024〜2026年度)の全国平均は、月額6,225円です。
| 期間 | 全国平均(月額) |
|---|---|
| 第1期(2000〜2002年度) | 2,911円 |
| 第8期(2021〜2023年度) | 6,014円 |
| 第9期(2024〜2026年度) | 6,225円 |
制度が始まった2000年度から、26年で2.14倍になりました。
この6,225円は「基準額」です。実際の金額は所得段階によって変わり、多くの市区町村で9〜13段階に分かれています。所得が低ければ基準額より安く、高ければ高くなります。
住む場所で2.74倍の差
ここが、調べていていちばん驚いた点です。
同じ日本でも、住んでいる市区町村によって金額がまったく違います。
| 単位 | 最高 | 最低 | 差 |
|---|---|---|---|
| 都道府県別 | 大阪府 7,486円 | 山口県 5,568円 | 1.34倍 |
| 市区町村別 | 大阪市 9,249円 | 東京都小笠原村 3,374円 | 2.74倍 |
年額にすると、大阪市は約11万円、小笠原村は約4万円。年間7万円の差です。
なぜ差が生まれるのか
介護保険は、市区町村ごとに収支が完結する仕組みだからです。
その市区町村で必要な介護サービスの総額を見込み、そこから逆算して保険料を決めます。したがって、次の要素で変わります。
- 高齢化率(高齢者が多いほど、サービス量が増える)
- 要介護認定率
- 施設の数(施設が多いと給付費が増える)
- 介護予防の取り組みの成果
- 市区町村が積み立てた基金の取り崩し
引っ越すと保険料が変わります
親を呼び寄せて同居する場合、住民票を移した先の市区町村の保険料になります。
ただし、施設に入所するために転居した場合は住所地特例が適用され、元の市区町村が引き続き保険者になります。特養、老健、有料老人ホーム、サ高住などが対象です。
グループホームは住所地特例の対象外なので、扱いが違います。
65歳以上は年金からの天引きが原則
払い方も変わります。
| 方法 | 対象 |
|---|---|
| 特別徴収(年金天引き) | 年金の年額が18万円以上の方。原則こちら |
| 普通徴収(納付書・口座振替) | 年金が年18万円未満の方、年度途中で65歳になった方など |
年金天引きは、年6回(偶数月)の年金支給時に差し引かれます。 手続きは不要で、自動的に始まります。
65歳になった年は、納付書が届くことがあります
年金天引きが始まるまでには、市区町村と年金機構の間で手続きが必要です。その間は納付書での支払いになります。
「年金から引かれているはずなのに納付書が来た」と混乱しやすい時期です。払い忘れると滞納になるので、届いた納付書は必ず処理してください。
滞納すると介護サービスの負担が増える
ここは知っておいてください。保険料を滞納すると、いざ介護が必要になったときに不利になります。
| 滞納期間 | 起きること |
|---|---|
| 1年以上 | いったん全額を自己負担し、あとから9割が払い戻される方式に変わる |
| 1年6ヶ月以上 | 払い戻しが一時差し止めになる |
| 2年以上 | 自己負担が1割から3割(または4割)に引き上げられる |
2年以上の滞納があると、時効により納付できなくなった期間に応じて、自己負担割合が引き上げられます。 高額介護サービス費も使えなくなります。
払えない事情があるなら、放置せず市区町村に相談してください。 減免制度があります。
減免や軽減の制度がある
いくつかの仕組みがあります。
低所得者向けの軽減(公費による軽減強化)
住民税非課税世帯のうち、所得が特に低い層については、公費を投入して保険料が引き下げられています。 申請は不要で、自動的に適用されます。
災害・失業などによる減免
次のような場合、市区町村の判断で減免を受けられることがあります。
- 災害で住宅などに著しい損害を受けた
- 世帯の生計を支える人が、失業・廃業・病気などで収入が著しく減った
- 収入が生活保護基準を下回る水準になった
これは申請が必要です。 基準と手続きは市区町村ごとに違うので、窓口で確認してください。
「収入が大きく減りました。介護保険料の減免制度はありますか?」
2027年度に改定される
最後に、時期の話です。
65歳以上の介護保険料は、3年ごとに見直されます。 いまの金額は第9期(2024〜2026年度)のものです。
つまり、2027年度から第10期が始まり、金額が変わります。
これまでの推移を見ると、一貫して上がってきました。2000年度2,911円 → 2026年度6,225円。 高齢化が進む以上、次も上がる可能性が高いと考えられます。
なお、40〜64歳の保険料率も毎年度見直されます。2026年度は1.62%でした。
まとめ|自分の金額を確認する方法
整理します。
| 年齢 | 確認する場所 |
|---|---|
| 40〜64歳(会社員) | 給与明細の「介護保険料」欄 |
| 40〜64歳(国保) | 国民健康保険料の通知書 |
| 65歳以上 | 市区町村から届く介護保険料額決定通知書(毎年6〜7月頃) |
65歳以上の方の金額は、「〇〇市 介護保険料」で検索すれば、所得段階ごとの一覧が出てきます。 市区町村のサイトに必ず載っています。
そして押さえておきたいのは、この3点です。
- 全国平均は月6,225円だが、住む場所で2.74倍の差がある
- 滞納すると、介護が必要になったとき自己負担が3割になる
- 2027年度に改定される
保険料は「払うだけのもの」に見えますが、いざ介護が必要になったときの自己負担割合に直結します。 ここだけは滞らせないでください。
実際に介護が始まったときの自己負担は、介護保険の自己負担は1割・2割・3割のどれ?にまとめました。こちらは所得で判定されます。
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出典・参考
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画期間における第1号保険料及びサービス量の見込み」(2024年5月14日公表/全国平均月額6,225円、第8期6,014円から3.5%増、第1期2,911円)
- 同資料より都道府県別・保険者別の状況(最高:大阪府7,486円/大阪市9,249円、最低:山口県5,568円/東京都小笠原村3,374円)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度の介護保険料率」(全国一律1.62%、労使折半)
- 厚生労働省 第134回社会保障審議会介護保険部会 資料(2026年3月9日/令和8年度の第1号保険料6,225円、第2号保険料6,360円)
- 介護保険法 第129条(保険料)/第66〜69条(保険料滞納者に係る保険給付の制限)
この記事の情報は2026年8月時点のものです。65歳以上の保険料額と所得段階の区分、減免制度の内容は市区町村によって異なります。40〜64歳の保険料率は加入している医療保険によって異なります。実際の金額と手続きは、お住まいの市区町村または加入先の医療保険にご確認ください。

