この記事の要点
- 変更は利用者に認められた権利。理由を細かく説明する義務はない
- 方法は2つ。同じ事業所で担当だけ変えるか、事業所ごと変えるか
- 言いにくいときは、地域包括支援センターか市区町村の介護保険課に相談すればいい
- 変更しても、使っているサービスはそのまま続けられる
- ただし、状況を一から伝え直す手間はかかる
ケアマネジャーは、介護の生活を組み立てる中心にいる人です。相性が悪いと、必要なサービスが届かないまま時間が過ぎていきます。
それでも、多くの人が変更をためらいます。「お世話になっているのに」「角が立つのでは」と。
この記事は、実際に寄せられることの多い相談の形に沿って書きます。あなたの状況に近いところだけ読んでください。
「そもそも、変えてもいいものなんでしょうか」
変えていいです。権利として認められています。
介護保険制度では、利用者が自分の意思でサービス事業者を選び、決める権利が尊重されています。ケアプランを作る居宅介護支援事業所も、その事業者の1つです。
どの事業所に頼むかは、利用者が自由に決められます。 一度契約したあとでも、合わないと感じたら変更できます。
後ろめたさを感じる必要はありません。これは「わがまま」ではなく、制度が最初から想定している行動です。
「どういう状態なら、変えたほうがいいですか」
判断に迷う方が多いので、実際に変更理由として挙がるものを並べます。
連絡・対応について – 電話をしてもなかなかつながらない、折り返しがない – 月1回訪問して、書類に印鑑をもらうだけで帰る – 相談しても「様子を見ましょう」で終わる
提案の中身について – 自社のサービスばかり勧めてくる – こちらの希望を聞かずにプランが決まっている – 施設入居を相談しても、話が前に進まない
専門性について – 認知症や医療的ケアについての知識が乏しい – 在宅での看取りを希望しているが、経験がなさそう
関係について – 高圧的、あるいは本人を子ども扱いする – 本人が明らかに嫌がっている
「なんとなく話しづらい」も、十分な理由です。 介護は年単位で続きます。話しづらい相手とは、必要なことも伝えられません。
「自社サービスばかり勧められるのは、普通のことですか」
普通ではありませんが、珍しくもありません。
居宅介護支援事業所の多くは、訪問介護やデイサービスを運営する法人に属しています。自社のサービスを使ってもらうほうが、法人の利益になります。
判断のしかた
「なぜこのサービスなのか」を聞いてください。理由が本人の状態に基づいていれば問題ありません。
「近いから」「うちでやっているので」しか出てこない場合、他の選択肢を検討したいと伝えてください。それでも同じ提案を繰り返すなら、変更を考えていい段階です。
「どうやって変えるんですか」
方法は2つあります。
① 同じ事業所で、担当者だけ変える
今のケアマネジャーが所属している居宅介護支援事業所に相談します。他にケアマネジャーが在籍していれば、担当の変更を相談できます。
紹介された人と顔合わせをして、問題なければそのまま続きます。事業所は変わらないので、契約のやり直しは不要です。
② 事業所ごと変える
他にケアマネジャーがいない場合や、事業所自体に不満がある場合は、別の事業所に移ります。
新しい事業所との契約が必要になります。
どちらを選ぶか
- 「この人とは合わないが、事業所の対応自体は悪くない」→ ①
- 「事業所の方針そのものが合わない」「自社サービス偏重が組織的」→ ②
「本人に直接言いにくいのですが」
言わなくて構いません。
担当者に直接伝えづらい場合、次のどこに相談しても大丈夫です。
| 相談先 | 向いている場面 |
|---|---|
| 事業所の管理者 | 同じ事業所内で担当を変えたい |
| 地域包括支援センター | 事業所ごと変えたい、他の事業所を紹介してほしい |
| 市区町村の介護保険課 | どこに相談していいか分からない |
地域包括支援センターは、この相談を日常的に受けています。 「担当のケアマネジャーを変えたいのですが」と電話するだけで話が進みます。
理由を細かく説明する必要もありません。「相性が合わないので」で十分です。
「今使っているサービスは、続けられますか」
続けられます。
デイサービスも訪問介護も、ケアマネジャーが変わったからといって使えなくなることはありません。再契約も不要です。
もちろん、この機会にサービスの内容を見直すこともできます。それも新しいケアマネジャーに相談できます。
「変えることで、何かデメリットはありますか」
正直に書きます。手間はかかります。
状況を一から伝え直す必要があります。 本人の病歴、生活の癖、家族の事情。これまで積み上げた情報が、新しい担当者にはありません。
サービス担当者会議を開き直すことになります。 関係者が集まって、プランを確認する場です。
事業所ごと変える場合は、契約手続きが必要です。
そして、新しい人が合うかどうかは、やってみないと分かりません。 ここは正直なところです。
手間を減らす方法
これまでの経緯をメモにまとめておいてください。
- 本人の病歴、服薬、かかりつけ医
- 使っているサービスと、その曜日・時間
- 生活の中で困っていること
- 家族の状況(誰がどこまで関われるか)
紙1枚あるだけで、引き継ぎがまったく違います。次に変更するときにも使えます。
「これから選ぶのですが、何を見ればいいですか」
初めて選ぶ場合は、地域包括支援センターに複数の事業所を紹介してもらってください。1つ提示されたら、それで決めなければならないわけではありません。
最初に確認したいこと
- 連絡が取りやすいか(携帯に出られる時間帯、休日の対応)
- 法人が運営しているサービスは何か(自社優先の可能性を知っておく)
- 認知症、医療的ケア、看取りなど、必要な領域の経験があるか
- こちらの話を最後まで聞くか
最後の項目が、いちばん大事だと思います。最初の面談で話をさえぎる人は、その後もさえぎります。
迷っている方へ
我慢し続けても、状況は良くなりません。介護は数年続きます。
まずは地域包括支援センターに電話して、「こういう状況なのですが」と話してみてください。 変更するかどうかは、そのあとで決められます。
相談した時点で、何かが確定するわけではありません。
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出典・参考
- 厚生労働省「介護保険制度における居宅介護支援」
- 介護保険法(利用者の自己決定・事業者選択に関する規定)
この記事の情報は2026年8月時点のものです。手続きの詳細は事業所や自治体により異なる場合があります。実際の変更にあたっては、担当の事業所またはお住まいの市区町村にご確認ください。

