地域包括支援センターとは|何を相談できるのか、無料で使える公的窓口

この記事の要点

  • 全国5,487か所(支所を含めると7,374か所)にある公的な相談窓口
  • 相談は無料。本人でなく家族だけでも、離れて暮らしていても使える
  • 要介護認定がなくても、まだ何も困っていなくても相談していい
  • 相談するのは親が住んでいる地域のセンター。自分の住所地ではない

介護が始まったとき、最初に行くべき場所があります。地域包括支援センターです。

ただ、この窓口は驚くほど知られていません。名前を聞いたことがあっても、「何をしてくれるのか」「自分が行っていいのか」がわからず、結局使わないまま一人で抱え込む人がたくさんいます。

この記事は、その状態にある方に向けて書いています。広告は一切ありません。

目次

どんな場所か

全国にある公的な相談窓口

地域包括支援センターは、介護保険法に基づいて市町村が設置している公的機関です。

厚生労働省によると、全国で5,487か所が設置されており、支所を含めると7,374か所になります(令和7年4月末現在)。

日常生活圏域におおむね1つある計算です。あなたの親が住んでいる地域にも、必ずあります。

誰がいるのか

多くのセンターに、次の3つの専門職が配置されています。

職種 主な役割
保健師(または看護師) 健康面、医療との連携
社会福祉士 制度の活用、権利擁護、虐待対応
主任ケアマネジャー 介護サービスの調整、ケアマネの支援

介護、医療、福祉の3方向から相談を受けられる体制になっています。

費用

総合相談や介護予防ケアマネジメントは、ほとんどの自治体で無料です。

相談料も、電話代以外の費用もかかりません。

何を相談できるのか

想像より、はるかに広い

「介護の相談窓口」と聞くと、要介護認定やサービス利用の話だけかと思われがちです。実際にはもっと幅があります。

日常生活でのちょっとした心配事から、病気、介護、金銭的な問題、虐待まで、相談内容は多岐にわたります。

具体的には、こういった相談が持ち込まれています。

介護のこと – 要介護認定の申請方法、申請の代行 – どんなサービスがあるのか – ケアマネジャーの探し方、変更したいとき

暮らしのこと – 一人暮らしの親が心配 – 最近、物忘れが増えた気がする – ゴミ出しや買い物ができなくなってきた – 家の中で転ぶようになった

お金のこと – 介護費用が払えるか不安 – 年金だけで生活できるか – 使える制度があるか知りたい

深刻なこと – 認知症の親が詐欺にあっているかもしれない – 家族が高齢者に手を上げてしまう – 介護している自分が限界に近い

最後の項目は、特に重要です。介護している側の相談も受け付けています。

よくある誤解

「要介護認定を受けてから行く場所」ではない

認定を受けていなくても相談できます。 むしろ、申請の方法を教えてもらう、申請を代行してもらうために行く場所です。

「本人が行かないといけない」わけではない

家族だけでも相談できます。 本人が拒否している、まだ本人には言えない、という段階でも大丈夫です。

「親が病院に行きたがらない」「介護サービスを嫌がる」という相談は、日常的に持ち込まれています。

「まだ困っていないから早い」ということはない

相談は無料で、内容が整理できていない段階でも利用できます。

「何を聞けばいいかわからない」状態で行っても構いません。整理を手伝ってもらうのが、この窓口の役割です。

「相談したら介護サービスを勧められる」わけではない

営利目的の機関ではないので、契約を取る動機がありません。必要ないと判断されれば、そう言われます。

どこに相談するのか

親が住んでいる地域のセンター

ここを間違える人が多いです。

担当は住所地で決まります。相談するのは、あなたの住所地ではなく、親が住んでいる市区町村のセンターです。

離れて暮らしていても問題ありません。電話でも相談できますし、帰省のタイミングに合わせて訪問することもできます。

探し方

  1. 「(親の市区町村名) 地域包括支援センター」で検索する
  2. 市区町村のホームページに一覧がある
  3. 市区町村の介護保険担当課に電話して聞く

センターは担当区域が分かれているので、親の住所を伝えれば、担当のセンターを教えてもらえます。

名称が違うことがある

自治体によって「高齢者あんしん相談センター」「おとしより相談センター」など、独自の名前が付いていることがあります。

検索して見つからないときは、市区町村の窓口に「高齢者の総合相談窓口はどこですか」と聞いてください。

相談するときの伝え方

「何て言えばいいかわからない」という理由で電話をかけられない方が多いので、そのまま使える例を挙げます。

電話の最初の一言

「離れて暮らす母のことで相談したいのですが、こちらでよろしいでしょうか」

これで通じます。用件が整理できていなくても構いません。

具体例

まだ何も始まっていない段階

「一人暮らしの父が最近転ぶようになりました。何から始めればいいかわかりません」

認定を受けたい段階

「介護保険を申請したいのですが、手続きを教えてください。本人が窓口に行けません」

本人が拒否している段階

「母に介護が必要だと思うのですが、本人が嫌がっています。どうすればいいでしょうか」

自分が限界に近い段階

「介護をしている自分のほうが参ってしまいそうです。相談できますか」

最後の相談も、正当な相談です。 遠慮する必要はありません。

行く前に用意しておくとよいもの

必須ではありませんが、あると話が早く進みます。

  • 本人の状況のメモ(できないこと、困っていること、いつからか)
  • 本人の介護保険被保険者証(65歳以上の方に届いています)
  • かかりつけ医の名前と病院名
  • 本人の1日の過ごし方(起きる時間、食事、外出の有無)

「調子のいい日はできるが、週の半分はできない」といった波がある状態も書き留めておいてください。これは後の認定調査でも重要になります。

相談したあと、どうなるか

必要に応じて次の窓口につながる

センター自体がすべてを行うわけではありません。話を聞いたうえで、必要な機関へつないでくれます。

  • 要介護認定の申請 → 市区町村へ(代行してもらえる)
  • 要支援の認定が出た場合 → センターがケアプランを作成
  • 要介護の認定が出た場合 → 居宅介護支援事業所のケアマネジャーを紹介
  • 医療の問題 → 医療機関との連携
  • 権利侵害や虐待 → 専門の対応

一度きりではない

状況が変わるたびに、また相談できます。継続して関わってくれる窓口です。

この窓口を使わないまま、抱え込む人が多い

介護は、突然始まります。

親が転んで入院した。認知症の診断が出た。一人暮らしが難しくなった。そこから、多くの人が自分で調べ始めます。制度の名前を検索し、施設のサイトを見比べ、何が正しいのかわからないまま時間が過ぎていきます。

その手前に、無料で、専門職が3人いる窓口があります。

うまく使えているかどうかで、その後の負担がまったく変わります。まだ相談していないなら、電話を1本かけるところから始めてください。

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出典・参考

  • 厚生労働省「地域包括ケアシステム」(設置数:令和7年4月末現在)
  • 厚生労働省「地域包括支援センターの業務」
  • 介護保険法 第115条の46

この記事の情報は2026年8月時点のものです。センターの名称や運営体制は自治体により異なります。詳しくはお住まいの市区町村にご確認ください。

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